テクノロジー

AI and SOCIETY SymposiumでAIの民主化の足音を感じてきた

虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された人工知能のカンファレンス AI and SOCIETY Symposium

Creative AIの分野でキュレーターとして活躍されているLuba Eliottさんに突然コンタクト&ご招待をいただき、遊びに行ってきました。なんでもGoogle deepmindの研究者David Haさんが「one of the cool digital art peaple in Japan」として私を紹介してくださったとのこと…!(マジか…)

(後から知ったのですが聴講料30000円越えでめっちゃ高い・・・ご招待ありがたい・・・)

 

Lubaさんはこちらのキュートな女性。

シンポジウムに先んじて公開されたインタビュー記事で詳しくLubaさんのことを知ったのですが、「アート業界は不透明でわかりにくいから評価制度としてAIを導入する」というアプローチにすごく共感&面白いなと感動してました。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52961

Lubaさんのトークセッションでは主にクリエイティブAIの利用事例・作品事例について色々とご紹介をいただきました。

AI x Artの分野については私も割とリサーチしていたので最近の動向はザックリと知っていたのですが、
LubaさんはAIスタートアップの投資家をしていたという経歴もあり、自分が知らなかったようなサービスのオンパレード。

Lubaさんのセッションをはじめ、自分が聴講中に知った事例で面白いなと思ったものをいくつかブログにまとめたいと思います。

デザイナーいらず!?AIがロゴを生成してくれるサービス、LOGOJOY

これはすぐにでも使いたい!!と思ったのがAIがロゴを生成してくれる「Logojoy」。
最初にポチポチと好きなロゴのデザインや好きなシンボルなどを入力すると、それらしいロゴを出力してくれます。なにこれデザイナー殺しやん…!!!(恐)

試しに私も早速自分のロゴを生成してみました。

出力結果がこちら。

気に入ったロゴデザインをベースに手動で微調整を加えて、、、

じゃーーーーーん

自分のイメージカラー(?)の巫女カラーに、日本のしめ縄シンボルです。

かなりそれらしいロゴになってビックリしました。
こちらからもご覧になれます

ロゴ生成は無料で使えますがダウンロードは有料(20ドル)らしいです。
デザイナーさんにロゴデザインを依頼する際に、Logojoyでロゴのイメージ生成してデザイナーさんに伝えるみたいな使い方が便利かも!

 

Seeing AI ― 画像認識の実用的な応用事例とAIの民主化

マイクロソフト CTO(最高技術責任者)榊原彰さんのセッションも刺激的でした。
(実はスポンサーセッションに対してはあまり期待をしていなかったのですが、めっちゃ面白かったです…すみません!!!!)

女子高生型チャットボット「りんな」など話題のサービスを続々輩出している天下のマイクロソフトさんですが、「AIの民主化」を目指し、一部の資産を持つ企業だけではなく社会にあまねくAI技術を開放していくのを目指しているそうです。

この方針にはもうめっちゃ激烈賛同&感謝で、個人のアーティストがAI技術を作品に応用するには無料のAPIなどがどんどん公開されないと手も足も出ないので、熱い視線を飛ばしながらマイクロソフトさんの動向を見守りたい所存です。

こちらのセッションでも様々なサービス紹介がありましたが、特に私の胸に刺さったのがこちらの「Seeing AI」。全盲の方に向けたプロダクトで、その時に視界に入っているモノを画像認識して、言葉で喋って解説してくれるというもの。

会議中に相手の表情を顔認識して判別してくれたり、歩行中に異音がした際にその現場の状況を教えてくれたり、レストランの紙のメニュー表を読み上げてくれたり、万能すぎる。

画像認識して写真に含まれている要素を言語化する、という技術については知っていましたが、なるほどこの応用事例はスマートで実用的です。思いつかなかった!!

 

こちらの映像もコンセプトムービーではなく、ちゃんと実際に使えるプロダクトとして完成しているようです。

米アップルストアでは実際にダウンロードもできます(日本のアップルストアではまだ公開されていないらしい)。

 

マイクロソフトの人工知能研究所には「AIEThER Advisory Panel」というチェック機関があるらしいです。これは「AI and Ethics for Engineering and Research」の略称で、出そうとしているサービスが社会の中で倫理的にOKか?をジャッジする機能を持つそう。

AI脅威論もまことしやかにささやかれていますが、人間社会を豊かにする道徳的なAIの活用方法については大企業も慎重に取り組んでいるんだな、と思いました。

 

 

短い滞在だったのですが、とっても刺激になりました!

ランチタイムにLubaさん、スポンサー企業のセブンアイホールディングの美人社員さんと写真をとれたので自慢しますw

Lubaさん、ご招待ありがとうございました〜!

 

ABOUT ME
etsuko-ichihara
メディアアーティスト。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。