先日、評価員を担当させて頂いている学生CGコンテストの全受賞作品が発表されました。
学生CGコンテストは、メディアアートの分野を中心にした学生の登竜門的なコンペティションで、自分自身も2012年でこちらで賞をいただいたのが、業界デビューのきっかけだった記憶があります(多大なるご恩があるので、今回評価員の仕事をお受けしました)。
受賞作品・ノミネート作品それぞれ見どころ満載なので、若い才能のショーケースとして上記の受賞作品ページ、ぜひ覗いていってほしいです。VR、映像、スペキュラティブデザイン、パフォーマンスなどなど、ジャンル混合戦。
アート部門の最優秀賞は既にいろんなところで話題になっている手描きVR作品「MOMB」。
評価員賞というものもあるのですが、「市原えつこ賞」は中路景暁さんの執念の映像作品「Sequences/Consequences」に贈呈しました。
受賞によせて、贈賞コメントも寄稿させていただきました(長いですが……)
本日学生CGコンの授賞式でした。
副賞で出世とIT情報安全祈願というそんなんあるんかというお守りを巫女さんから頂きました。 pic.twitter.com/nENzsHllSV— Hiroaki Nakaji (@16nakaji) February 1, 2020
なお2/1、2/2には受賞展覧会やイベントなどが開催され、2/1には審査員・評価員集まってのトークイベントがあったり、受賞者も多数あつまり若い才能で賑わう現場になりました。
先日の学生CGコンテスト受賞展での評価員・審査員トークは、アーカイブをご視聴いただけます。
評価員はほぼ全ての応募作品をチェックしているので、その中からピックアップされた全てのノミネート作品に対してかなりそれぞれ思い入れがあったりします(受賞作品だけでなく)。
現場では受賞、ノミネート作家の方々も大勢お会いすることができて、それぞれ才能や人間的な魅力に溢れた方々で、将来に期待……!という感じでした。
それと同時に、謎の老婆心で「ぜひ、続けてくださいね」「続けてると、だんだん周りが脱落してたりするんで……」と吹聴してまわってしまいました。
私も業界歴が地味に長くなってきたのですが、学生の頃にいい作品作っていた方が、その後も創作者として色々な形で活躍しているケースもあれば、なぜか経年とともにいつの間にか消えていってしまうケースもあり、そのたびにちょっとやるせない気持ちになったりもします(もちろん、キャリアを変えること自体は全然悪くないし、それぞれの事情もあってのことだと思いますが)。
常にベストな良い環境でつくれるとは限らないし、心無い批判を受けたり、時間や資金が捻出できなかったり…活動していると、とかく色々障壁があることの方が多いです。
あと、本当に作家活動には波があるので常に順風満帆とは限らないし、逆に同じことをやっていても世間の風向きが変わってきて異様にフィーチャーされることもある。
その波の「底」のタイミングで折れてしまって再起できない、みたいなのが結構怖いなと思っているので、特にこういったコンペティションで引っかかっている「何かしら見込みがある」と判断された人たちは、本当にしぶとく、仕事しながら淡々と細くでもいいので、末永くつくることを続けてほしいな、、と切に思ったりしました。
続けてるだけで敵が減って不戦勝、みたいなこともあるので……
そして継続さえしていれば、ここぞという時に勝機をみて、たたみ掛けることもできるので……😎(物騒ですみません)
まあでも学生さんに対して先輩面できるような立場でも教育者でもないので、ライバルとして一緒に切磋琢磨していければと思っております。
いつかまたどこかでバトる際には、何卒よろしくお願いいたします😇