市原 えつこ / Etsuko Ichihara
メディアアーティスト、1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性と日本文化に対する独特のデザインから、国内外の新聞・テレビ・ラジオ・雑誌等、世界中の多様なメディアに取り上げられている。
主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラ・インターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせ49日間共生できる《デジタルシャーマン・プロジェクト》等がある。
第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)採択。2018年に世界的なメディアアート賞であるアルスエレクトロニカInteractive Art+部門でHonorary Mention(栄誉賞)を受賞、EU(ヨーロッパ連合)より科学、社会、芸術の優れた融合に贈られる「STARTS PRIZE」にも同時ノミネート。
主な展覧会として、「デジタル・シャーマニズム – 日本の弔いと祝祭」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC])、「Cyber Arts Exhibition 2018 – Ars Electronica Festival」(OK Center for Centemporary Art)、「文化庁メディア芸術祭」(オペラシティアートギャラリー)、「第11回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館)等。
2016年にYahoo! JAPANを退社し独立、現在フリーランス。クリエーター事務所「QREATOR AGENT」所属。執筆活動も活発に行い日本経済新聞COMEMO、宣伝会議マスメディアンなどの媒体で連載中、講演多数。
【公式Webサイト】http://etsuko-ichihara.com/
TEDx東京大学でのトーク。
これまでの経歴
愛知県出身。転勤族で西日本を転々としつつ幼少期から絵を描くこととコンピューターに親しむ。高校時代には音楽系のアートディレクターに師事するも、美術の世界への不信感から美大には進学せず、早稲田大学在学時は社会学やメディア論、身体表象論などを学ぶ(結果、大学時代は美大コンプレックスをこじらせる)。大学3年時に桃太郎神社、熱海秘宝館など日本独特の性信仰に衝撃を受け、大学の卒業制作として勢いで「セクハラ・インターフェース」を渡井大己氏と開発、論文も執筆し学科の優秀論文に選ばれる。
2011年に卒業後はYahoo! JAPANにてUI/UXデザイナーとしてWebサービスやアプリの制作業務に従事するが、卒業制作の「セクハラ・インターフェース」が国内外のネットで話題になったのをきっかけに兼業アーティストとしてなし崩し的に活動開始。以降、フルタイム会社員とアーティストの2足のわらじ生活が数年続く。
作家としての覚悟を問われる&大変スピリチュアルな出来事(足の骨折)を機に2016年に5年間勤めた会社を退職し、メディアアーティストとして独立。祖母の死をきっかけに開発した「デジタルシャーマン・プロジェクト」が文化庁メディア芸術クリエイター育成事業や総務省異能vationに採択(倍率120倍)。メディア芸術祭、アルス・エレクトロニカなど国内外の主要なメディア芸術賞を次々と受賞し、本人が驚く。
近年は「奇祭・祝祭」に強い関心を持ち、ISIDイノラボとの共同プロジェクトとして「都市のナマハゲ」を制作。次回作では実際に奇祭を開催しようと目論み、クラウドファンディングで資金を集め「仮想通貨奉納祭」を2019年11月に東京の商店街で実現。2日間で15000人〜20000人程度の動員となる。
近年はありがたいことに、ヨーロッパ圏を中心に世界各地のメディアで作品を取り上げていただくようになりました。
作品
大学時代に、触ると喘ぎ声が出る大根「セクハラ・インターフェース」を制作。
社会人時代、それをさらに応用し、脳科学者の藤井直敬氏とともに「妄想と現実を代替するシステムSRxSI」を制作。
祖母の死をきっかけに、故人の特徴をコピーし死後49日を共生できる「デジタルシャーマン・プロジェクト」を開発(特許を取得いたしました)
ISIDイノラボとの共同開発作品として、「都市のナマハゲ – Namahage in Tokyo」を制作(なぜか映像の主演までつとめる)
趣味・特技・好きなもの
◆日本全国の珍スポット・神社仏閣探訪が大好物。ローカルで土着の文化が作品の着想に。東京都内でも、無駄に神社仏閣にフラフラと吸い込まれていく日々……。
◆高校時代は絵画コンクールで賞ハンター化し、実家には数々の賞状やメダルが眠っています。ただし大人になってから全然描いていないため、目下iPadイラストにてリハビリ中。
◆長年のメモ魔・記録魔が高じて、専門的に勉強をしていないにも関わらず独立後は自然に執筆業もするように。近年は日本経済新聞電子版にて「フリーランスの仕事術」連載をさせていただきました。
◆酒飲み。ビールが飲めればだいたい機嫌が良いです。晩酌大好き。
◆旅好き、移動好き。長期移動や出張、飛行機移動でワクワクする移動フリーク。展示でオーストリア、北京、台湾、スロベニア、シンガポールなど色々行かせていただきました(幸せ)。
◆なぜか占い師の友人が多く、西洋占星術でホロスコープを多少読めます(アマチュアレベルですが)。友達や仕事相手の人生相談に乗る時に大活躍。リアルなシャーマン&魔女スキルは今後研鑽したい。
◆人フェチ、才能フェチ。変なクリエーターと会ったり、プロデュースするのが大好き。コンペティションの審査員のお仕事をさせていただくこともあるのですが、やりがいのあるお仕事として喜びとともにやらせていただいてます。
◆「クリエイターがいかに社会の中で健やかにサバイブするか」「アーティストが社会と接続するか」といったテーマがライフワーク。このブログでは、そういった趣旨での情報発信も多いです。
このブログは
メディアアーティストの市原えつこが、作品制作のこと、クリエーター向けのノウハウ、フリーランス・副業などの働き方、テクノロジー・・・などなど書き散らかすブログです。
活動実績
活動サマリー:
- 「死後49日を共生できるロボット」で第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞(同部門にシン・ゴジラ、ポケモンGO、岡崎体育など)
- 世界的メディアアート賞Prix Ars Electronicaで栄誉賞を受賞
- 総務省の「変な人発掘プロジェクト」こと異能vation(独創的な人特別支援枠)採択
- 「月曜から夜ふかし」「NHK WORLD」「めざましTV」など国内外でのメディア出演・掲載多数
- 「TEDxUTokyo」や各大学で外部講演多数、TV番組やイベントMCも担当
- ISIDイノラボ 外部研究パートナー(Japanology Researcher)
- 内閣官房オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査:文化を通じた機運醸成試行プロジェクト採択
- 日本経済新聞COMEMOキーオピニオンリーダー
- 「すべての業界のぶっとんだ人が集まる」QREATOR AGENT所属
- 米国発ファッションブランド、TOMMY HILFIGERの”TOKYO ICONS”に選出
受賞
2018:アルスエレクトロニカ Interactive Art+部門 Honorary Mention(栄誉賞)
2018:アルスエレクトロニカ STARTS PRIZE部門 ノミネート
2017:第20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞(文部科学大臣賞)
2016: 総務省 異能vation(独創的な人特別支援枠)採択
2016:内閣官房オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査:文化を通じた機運醸成試行プロジェクトにISIDイノラボとの共同プロジェクトが採択
2015:文化庁メディア芸術クリエイター育成事業 採択(デジタルシャーマン・プロジェクト)
2014:第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品
2013:WIRED CREATIVE HACK AWARD ファイナリスト
2012:電子工作コンテスト ガジェットカフェ賞
2012:学生CGコンテスト 審査員賞(木村了子賞)
2012:東京都現代美術館「ブルームバーグパヴィリオンプロジェクト」メディア・パフォーマンス部門 準グランプリ
主なメディア掲載
【テレビ】日本テレビ「月曜から夜ふかし」、NHK WORLD、フジテレビ「めざましテレビ」、フジテレビ「新発見アートバラエティ アーホ!」、テレビ東京「B級ニュースSHOW」、日本テレビ「SENSORS」、フジテレビ「見えちゃった!テレビ」、MBS毎日放送「ナミノリ!ジェニー」、TOKYO MX、Abema TV、フジテレビホウドウキョク、NHK秋田、鹿児島テレビ、他
【Web】Yahoo! JAPANトップ(ヤフートピックス)、GIZMODE、WIRED、ねとらぼ、Kotaku、Rocket News、SENSORS、Engadget、KAI-YOU、週刊アスキー、日刊SPA!、他多数
【ラジオ】TOKYO FM、J-WAVE、日本ラジオ、ソラトニワ、他
【雑誌・新聞】AERA、anan、東京新聞、朝日新聞(全国)、美術手帖、プレイボーイ、a day magazine(タイ)、リベラシオン(フランス)、他
執筆
ビジネスメディア・テック系メディアを中心に執筆活動も積極的に行っております。ご依頼もお気軽にどうぞ。
- [連載]日本経済新聞電子版・出世ナビ「フリーランスの仕事術」
- [連載] Advanced by massmedian「クリエイターの生存戦略」
- [連載] 日本経済新聞COMEMO キーオピニオンリーダー
- [連載] Qonversations「メディアアーティスト・市原えつこさんが聞きたい「来訪神をリデザインする方法」
- She is「旅芸人の性根、漂流の安心感」(『旅に出る理由』特集に寄稿)
- 国立新劇場「プライムたちの夜」市原えつこのスペシャルコラム
- アートサイエンスメディアBoundBaw「無数の家電を祀る奇祭〈和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」~本祭Ⅰ家電雷鳴篇~〉」
- アートサイエンスメディアBoundBaw「文化財アーカイブの欲望と使命(前編) 西野嘉章×宇川直宏」
- 「LifeShift」【前編】市原えつこが行く、アート&テクノロジーの実験場「Media Ambition Tokyo」
- 「SENSORS.jp」【デジタルシャーマン武者修行記】 #1 市原えつこがテクノロジーで挑む「死と弔い」
- 「SENSORS.jp」誰もが研究者になれる時代〜ニコニコ学会βが実現した、科学のオープン・イノベーションの可能性
講演、セミナー、司会など
2018 博報堂コンサルティング「アートシンキングはイノベーション創出に寄与しうるのか? ~デザインシンキングでは注目されていないアートシンキングの特性~」登壇
2018 武蔵野美術大学空間デザイン学科「空間メディア論」(鈴木康広先生)ゲスト講義
2018 法政大学「メディアと社会」ゲスト講義
2018 Culture Vision Japan「」
2018 東京大学生産研究所「もしかする未来」シンポジウムパネル登壇(山中俊治先生、スプツニ子!先生、筧先生) , 国立新美術館
2018 ART PHOTO TOKYO 脇田玲氏と対談トーク「可視化と除霊」
2018 東京経済大学 4週連続ワークショップ
2018 NSK Future Forum登壇, スパイラルホール
2018 日本弁理士会「弁理なアイデア展」弁理士会所属の弁理士とトーク, 東京駅KITTE
2018 アルス・エレクトロニカ「FIS – Future Innovator Summit」ゲスト・アーティストとして登壇
2018 日本経済新聞「COMEMO FES」トーク
2018 文化庁メディア芸術祭愛知展トークセッション「MECÂNICA《メカニカ》の開催を迎えて」「ウェルビーイングを考える ―テクノロジーは私たちを幸せにするか」出演
2017 Webクリエイティブの学園祭「dotFes 2017」で司会進行
2017 首都大学東京 渡邉英徳研究室 ゲスト講義
2017 筑波大学「コンテンツ応用論」ゲスト講義(落合陽一先生)
2017 アーティストトーク「デジタルシャーマニズム」NTTインターコミュニ ケーション・センター [ICC]、 2017年1月29日 登壇者:市原えつこ、なかのひとよ 司会:畠中実(ICC)
2017 早稲田大学「科学と芸術」ゲスト講義
2016「TEDxUTokyo “Vivid Vision”」東京大学 安田講堂 スピーカーとして登壇
2015 ろくでなし子×市原えつこ 「怒り過ぎの世知辛い世の中でも楽しく自由に表現するには。」 『私の体がワイセツ?!』(筑摩書房)刊行記念@B&B
2015 「VRクリエイティブアワード@デジタルハリウッド大学」-「ペッパイ」と共に司会
2012 第三回ニコニコ学会βナイトセッション 夜のニコニコ学会β「ニッポンの恥性」主催・登壇
2012 「ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト」東京都現代美術館/アーティストトーク
2012 「第2回ニコニコ学会β」ナイトセッション登壇
過去webインタビュー、イベントルポなど
- Forbes JAPAN「メディアアーティスト 市原えつこ『女子高生がカフェで弔いを語り合う』#Forbes2050」 2018.11
- madameFIGARO「女性アーティストたちの、美しき挑戦。 #03 市原えつこが提案、新しい弔いの形はメディアアート!?」2018.09
- BuzzFeed JAPAN「大学コンプレックスを昇華させたのは、意外なきっかけだった」2018.08
- CINRA「市原えつこが考える、テクノロジーを用いた新しい「弔い」の形」2018.07
- カンバセーションズ「メディアアーティスト・市原えつこさんが、アーティスト/ミュージシャン・和田永さんに聞く、『祝祭空間のつくり方』」2018.06
- 「文化庁メディア芸術祭」での受賞をきっかけにネットワークが広がった ー 市原えつこインタビュー, 登竜門, 2017.09
- JDN「先端テクノロジーを用いて示す新しい弔いのカタチ-市原えつこインタビュー」(2017.09)
- Libération「Au Japon, les radis chantent d’amour」 (2017.05)
- 早稲田ウィークリー「“クサいもののフタ”を開けるアート」( 2017.03)
- 電通報「市原えつこ氏とイノラボがナマハゲをリデザイン, (2017.02)
- 生命力のアーティスト・市原えつこ氏が「デジタル・シャーマニズム」で狙う新たな葬いとは, PCwatch, 2016.02
- J-WAVE PIN-UP「話題のアーティストが独特の世界観で魅せる!市原えつこ「デジタル・シャーマニズム – 日本の弔いと祝祭 – 」 (2017.01)
先端テクノロジーを用いて示す新しい弔いのカタチ-市原えつこインタビュー
Forbes JAPAN「メディアアーティスト 市原えつこ『女子高生がカフェで弔いを語り合う』#Forbes2050」
これまでの作品がまとまった動画はコチラ