クリエーター向けノウハウ

小さな世界の作り方:活動のセルフマネジメントの基本①

こんにちは、市原えつこです。

現在はフリーランスのメディアアーティストとして生きています。 

私は基本的に事務所などに所属せず、セルフマネジメント、セルフプロデュースでずっと活動しています。

会社員の頃に副業で作家活動をやっている時を含め、見よう見まねで自分の活動を発信していたらだんだん仕事になる(仕事依頼がくる)ようになりました。

これから書く内容は、美術系学生さん向けの講演で需要があった時に話す内容で、「プロとして活動しているわけではないけど、自分が好きでやっていることを発信して仕事に繋げていきたい」という段階でのセルフマネジメントの基本のようなことをまとめてみました。

今の時代、自分を「商品」として見せるツールや手段は色々あるので、使わない手はないよという話です。

学生さんのケース、会社員の副業でやってるケース、いろんな場合があると思いますが

とりあえず最低限やっておくと良いことを書いてみます。

 

 

個人活動の名刺をつくりましょう

 

学校や会社の名刺を渡してもあまり自分のことを覚えてもらえないので(たくさん名刺交換した日には忘れられてしまう)

 

何か自分で活動をしている場合はオリジナルの名刺をつくるのをおすすめします。

個性が演出できて、覚えてもらいやすいものが望ましいです。

 

 

ちなみに私の名刺はこちらですw

怪しさがハンパないですが、初対面の方が大抵笑ってくれて話のタネになりますし、いろんな名刺の中でも目立つので後から連絡いただける率も高いです。

 

ちなみに激安名刺ドットコムのokマットポストという素材おすすめです。そこそこ高品質に見えるのにえぐいぐらい早くて安いです。数百枚印刷してばら撒いたりしやすい。

展示やイベントの時には名刺を大量に平積みしてますが、トレーディングカードっぽく見えるのかみんなに欲しがってもらえます(後から取材依頼や仕事依頼がガンガンいただけるのでおすすめです)

自分のウェブサイト、活動用のSNS一式を用意しましょう

誰かが自分に興味を持っていたとしても、ウェブ上に情報がまとまっていないと、オファーをかけようにもアクションの起こしようがありません。

このスピード社会、ご丁寧にまだウェブに上がっていない情報を拾い集めてくれる人はあまりいません。

機会損失を防ぐために、自分の情報をまとめたウェブを立ち上げましょう。

 

ちなみにWeb制作の知識がなくてもTumblrなどのサービスを使えばそれなりになります。

おすすめテンプレートやカスタマイズの仕方などもググれば色々出てきます。→「tumblr ポートフォリオ」とかでググろう!

(私は長らくTumblrサイトを使ってましたが、もう少し作り込みたくなり、最近思い立って独自ドメイン取ってWordPressで構築しなおしました。思ってたより簡単でした、正味5時間ぐらいで構築できた)市原えつこ公式サイト

(ちなみに私はHTML&CSSは書けるけどPHPとかはよくわからん、というスキル感のため、コピペプログラミングです🤗 これも「wordpress ポートフォリオ 」とかでググると色々出てきます)

 

 

 

業種にもよりますが最低限必要な要素は、

  • ABOUT(自己紹介、経歴、賞歴など)
  • NEWS(直近の活動告知)
  • WORKS(自分が提供しているコンテンツ、作品)
  • CONTACT

 

あたりがあれば基本的に大丈夫かなと思います。作家としてのポリシーをまとめたアーティストステートメントなども入るとなお良いです。

また、お問い合わせできるようにするコンタクト導線は大事です。

 

語学が得意な方は英訳がんばるとワールドワイドに活動が広がるかと、、(私はまだできてないのでがんばります)

イラストやモーショングラフィックなど、ビジュアルで分かりやすいものは国を問わず理解してもらいやすそうで羨ましいです。

また自分の活動を発信するツールとしてソーシャルメディアは便利です。

個人的な所感としてFacebookは仕事に繋がりやすいのですが、会社員の頃は職場の方と繋がっているアカウントで個人のメディア出演とかを告知するのもアレだなぁ、と思っていたので

作家活動用のFacebookページを別に立てていました

(今も更新してます、ぜひいいね!をお願いしますw)市原えつこFacebookページ

 

ファッションとかイラスト等ビジュアルアート系の人とかはInstagramが相性良さそうです。

自分の宣材一式を揃えましょう

 

イベントでも展示でも何かに参加する時に提供を求められる基本的に必要な情報は

名前、プロフィール、肩書き、写真です。

 

撮影:黒羽政士

 

宣材が飲み会の集合写真とかじゃあかんので、なにかしら自分の写真を用意する必要が出てきます。

 

撮影:吉次史成(美術手帖)

 

素人なのにアー写?とか言ったらあかんです。恥を捨てましょう恥を、後から確実に必要になってきますし、恥ずかしいかもしれませんがその覚悟が色々効いてきます。これがあるのとないのでは「ちゃんとしてる感」がかなり違うので、ここは自意識を捨てるのが大事です。

iPhoneでもよいので、写真がうまい友達とかにとってもらいましょう。

どうしても顔出しNGの場合はイラストでもいいと思います。(むしろ顔出ししない方がミステリアスで人気が出るケースもあります)

お金に余裕があればプロにお仕事をご依頼するのもおすすめです。

 

プロフィール編集のコツも何かの機会に書こうと思います。

 

見せてなんぼなので、活動はどんどん発信

いきなりテレビの取材とか大きなオファーが来ることは少ないと思うので

とりあえず広く参加を募っている展示系イベントやLT(ライトニングトーク)などの参加が手っ取り早いかなと思います。最初は草の根で、そこから芋づる式にご縁が広がることも多いです。

「まだ見せられる段階じゃない」と思うかもしれませんが、やはりここでも恥を捨てるのが大事です。私もまだ素人工作の段階でもバンバン出してました。うまくいかなくて現場で悔しい思いをすることで「なにくそ!」と奮起できますし、もちろんうまくいったらうまくいったでオイシイので、なにも失うものはありません。恥をかくのを繰り返すうちに、舞台度胸は徐々についてきます。ただ、特許を取る予定の場合は情報発信の範囲には気をつけましょう(公知になっちゃったら後から取り返しつかないので、、)

コンペティションにはどんどん応募しましょう

コンペ出すのはとってもおすすめです。出すことで自分の立ち位置、実力がわかります。

賞を取ることも大事ですが、それ以前にコンペに出す応募資料をつくることで、客観的に自分の作品の見せ方や文脈を整理することができるというメリットがあります。

 

私は作品を作り始めた頃に、身の程知らずと分かりながらも天下の文化庁メディア芸術祭に出し続けて、当然落ちまくりましたが

出し続けることで作品のクオリティやコンセプトの見せ方も多少は洗練されてきますし、受賞作品やアートワールドのプロと比べて自分にはなにが足りないのか?を客観的に考えることができます。

そしてついに今年エンターテイメント部門の優秀賞に入り込むことが(なぜか)できました。ポケモンGOと並んでいるw

 

 

コンペは運や審査員との相性にもかなり左右されるので、追い風が吹くときを待ちながら淡々と出し続けるのがおすすめです。

「作ったからとりあえず出しとくか」みたいな感じで、あまり結果に一喜一憂しないのが吉です。

 

あと、自分の作品がどういうシーンから評価されるのかも初めはわからないと思うので

少しでもピンとくるものは出してみるのが良いと思います。

私も現代美術系、IT&テック系、おもしろガジェット系、メディアアート系、広告系、と色々な分野のコンペに出してみて、だんだんメディアアートの分野で自分の作品が評価されるんだな、と分かってきた感じでした。

 

 

本日は一旦この辺で切り上げます!

また日を改めて続きを書ければ。

(ちなみにこの記事は完全に非営利で書いてます、、最近いろいろいいことがあったので、社会への恩返しキャンペーンです)

 

ではでは~

 

文責:市原えつこ

アーティスト、妄想監督。1988年、愛知県生まれ。早稲田大学文化構想学部表象メディア論系卒業。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。主な作品に、大根が艶かしく喘ぐデバイス《セクハラ・インターフェース》、虚構の美女と触れ合えるシステム《妄想と現実を代替するシステムSRxSI》、家庭用ロボットに死者の痕跡を宿らせ49日間共生できる《デジタルシャーマン・プロジェクト》等がある。 2016年にYahoo! JAPANを退社し独立、現在フリーランス。2016 総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。2017 20回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞。

http://etsuko-ichihara.com/

 

ABOUT ME
etsuko-ichihara
メディアアーティスト。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。