ライフハック

なぜ私たちは「忙しい」と感じるのか – 失われた時間を取り戻すためには

※こちらの記事は、日経COMEMOへのオリジナル投稿を転載しています

最近「ものすごく忙しいわけではないはずなのに、なんだか忙しい」という感覚に見舞われていました。

正確に言うと「やるべきことがあちらこちらに散らばってしまい、意識が散漫になり、本当に優先度が高いタスクがうまく進まない」という状況です。うまくやればさくっと終わらせて優雅にショッピングでもできそうな仕事量なのですが、それがなかなか理想通りにいかず、慢性的に「やるべきこと」を抱えてしまっている…というスッキリしない糞詰まり感覚。

そんな最中に知人から「メンタリストDaiGoの時間術に関するYouTube動画が面白い」と聞いたので見てみたら目からウロコが落ちました。

失礼ながら「出会い系アプリをプロデュースしている人」「なんかイロモノっぽい人」という漠然とした先入観があったのですが、とてもタメになり良かったので共有します。

【動画】「週40時間の自由を作り出すための超時間術 ~時間認知のゆがみを矯正して失われた時間を取り戻すには」

「やることが多い」と感じるのは、「育児をしないといけないけど、将来のために資格取得の勉強をしなきゃ……」など、矛盾する目標をバラバラに抱えているゆえに焦りとジレンマが起こるから。その葛藤がストレスに繋がるから「時間飢饉」の感覚が生まれるのだ……という耳慣れない考え方が動画では説明されています。

30分ぐらいある動画ですが語り口が面白い(あと、ちょくちょく猫が出てくるので癒やされる)のでサラッと観れて勉強になります。

ご本人の口から出たコメントを聴いた方が多分頭に入ると思いますが、簡単に要点をまとめてみます。

「忙しい、やることが多い」のは思い込み。「忙しくなく、やることはそんなにない」と思うべし

「やることが多い」と感じるのは、「育児をしないといけないけど、将来のために資格取得の勉強をしなきゃ……」など、矛盾する目標をバラバラに抱えているゆえに焦りとジレンマが起こるから。その葛藤がストレスに繋がるから「時間飢饉」の感覚が生まれるのだ……という耳慣れない考え方が動画では説明されています。

その感覚への処方箋として、「その複数のタスクは本当に独立した相反するもの=コンフリクトするタスクなのか?」ということを見直し、共通の目的意識を持つことで葛藤が解消できるそう。葛藤のストレスがなくなると、「忙しい」という感覚がなくなるとのこと。

例えばDaiGoさんの場合はテレビに出るのもニコ生やるのも本を執筆するのもコンサルをするのも勉強するのも、個別のタスクだと考えると混乱するけれど、全てが「インプットして学んだことを人に説明することで深く定着させること」という人生の大きな目標に繋がることだと考えると「働いている」という感覚もなくなり、スムーズに全てをこなせるそうです。

マルチタスクは「時間汚染」だからやめるべき

マルチタスクをしている状態は「きれいな水が汚染されて不純物が多い状態のようなもの」だと動画の中で例えられていました。

仕事中にちょくちょくSNSやテレビを見ながらやると集中力が途切れるし、逆にリラックスタイムにちょくちょくLINEの通知を気にするのも「せっかくのリラックスをした時間」の純度が薄くなり、結局「忙しい、休めていない」という感覚になってしまう。「人間が本当に深く集中できるのは1日せいぜい3-4時間、慣れてないと1-2時間程度」とのこと(まあ確かに実際そんなもんだよな…と感じます)

その時間にいかに深く集中し、時間を分断せず、一定の時間を同じ作業に没頭できるかが重要なようです。

さっそく実践してみた

動画を見た翌日(というか今日)。午前中の2時間程度を作業のピークに設定し、朝起きてすぐに大事なタスクにとりかかりました。

自宅で仕事をしているためついSNSを見たり、音楽を聴いたりしながら仕事をしてしまいがちなのですが、それもバッサリやめました(スマホは別室に放り投げ、ウィンドウ上のSNSのタブはそっと閉じました)

すると、それまでうんともすんとも進まなかった仕事の難所が驚くほどあっさりと突破できて、「これまでダラダラ悩んでたのは一体…」と逆に憤るレベル。「大事なことは午前の2−3時間に集中してやり、後は遊んだり休んだりさらっと流せるタスク達をこなす」「だらだら働かない、だらだら休まない」ことが非常に重要なのだと実感しました。

また、これまでタスクがとっ散らかっている感覚が強く、国内外の展覧会の打ち合わせや要件整理、受託案件や商品化の企画書作成、新作のリサーチ、広報対応や取材の校正……などなどアーティスト脳とビジネス脳が行ったり来たりする感覚で落ち着かなかったのですが、

「自分の脳内に浮かんだ世界や発見したことを具現化し、世の中に浸透させること」とが自分の大目標だとざっくり仮定してみたところ、「美術も商業も一緒だし国内だろうが海外だろうが同じだ」という感覚になり、自分の中の混乱が静まりました。「自分が取り組んでいる別々の仕事は有機的につながっており、大きな共通の目標に向かって前進している」という感覚を大事にしばらく日々の仕事に取り組んでみようと思います。

内容だけ無料の場所に抜き出すのもやや罪悪感があるので、書籍紹介もリンクを貼っておきます▼

ABOUT ME
etsuko-ichihara
メディアアーティスト。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。