クリエーター向けノウハウ

脱Adobe税!?グラフィック作成ソフトAffinityシリーズが便利で良心的

※こちらの記事は、日経COMEMOへのオリジナル投稿を転載しています

元デザイナー、現アーティストの市原えつこです。
大学生の頃からAdobeソフトをいじりはじめ、会社員時代もUIデザイナーとしてAdobeを使い続けてきたのですが、買い切りができず定期的に税金のような使用料を払い続けるサブスクリプションモデル(CC)になってからは釈然としない気持ちをかかえていました。
なんだろう、この「クリエイティブ業界の税金」感……

本当にAdobeソフトが必要な業種なのか見直し

自分の職業がグラフィックデザイナーなど高頻度でAdobeソフトを利用し、高品質なビジュアルをつくるような職種ならばAdobe継続課金もいいんですが、よくよく考えると現在はアーティストとして様々なテクノロジーを利用し物理的に動く作品をつくることが仕事。

https://player.vimeo.com/video/157890881?byline=0&badge=0&portrait=0&title=0″ allowfullscreen=


平面ビジュアルの作成は、ポートフォリオやちょっとした営業資料の作成、プロジェクトのための画像加工をする程度で、本格的にデザイン作業をすることは年々少なくなっています。
(むしろUnityやArduino、TouchDesignerとかプログラミング関連アプリの方が利用頻度が高くなっていきそうだし、家庭用ロボットとかVRゴーグルとか電子パーツとかハードウェアの方にお金をかけたい)

なお海外では特にスタートアップのWebやUIデザインの領域で徐々にAdobe離れが始まっている模様。SketchやFigmaなどが代替ツールとして人気なようです。

Affinityは軽くて丁度良い、しかも廉価な買い切りモデル

Adobeに代替できるアプリケーションはないのか?と調べているときに出会ったのがAffinityシリーズ。

Affinity – 本格的なクリエイティブソフトウェアきわめてスムーズで高速な写真編集およびグラフィックデザインのソフトウェアから、非常に高性能なパブリッシングソフトウェアまでaffinity.serif.com

試用してみましたが、使用感はほぼアドビ製品。ほとんどのショートカットも使い回せます。
なおかつ動作がかなり軽くてサクサク動くのと、シリーズ同士の連携がスムーズなことに感動しました。

しかも本日5/20までCOVID-19下におけるクリエイター支援策として、もともと廉価なソフトウェアがさらに半額になってます。
ほぼPhotoshop、Illustrator、InDesignに匹敵するアプリを3つ買い切りで1万円いかない。月額課金ではなく買い切りでこのお値段です。ヤバい。

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iPadでもサクサク動く

個人的にIllustratorのようなソフト「Affinity Designer」はiPad版もおすすめです。Apple Pencilと組み合わせるとかなりサクサクとベクターイラストが描画できてすごい。ベジェ曲線苦手なので助かる、。

PCはAdobe製品継続という方でも、ベジェ曲線のドローイング用途だけでもiPad版のAffinity Designerは買って損はないと思います。かなり高機能。なおこちらも今日まで50%オフ。驚異の1000円そこらで買えます。

デメリットも

Web用途ならば全然問題ないのですが、印刷物をつくるのには向いていないかも?ほとんどの印刷会社がAIデータ入稿なので……(ただ、だんだんAffinityデータも受け付けている印刷会社さんも増えているようです)
あと日本語サポートもかなりしっかりしているのですが、なぜか縦書きができません。今後アップデートされてほしい点です。
DTPに専門的に特化したデザイナーさんとかはAdobeの方が良さそうです。

ヒャッホウ!これでAdobeタックスヘイブンや……!!と喜んでます。
動画編集もするのでPremiere Proだけは個別契約中ですが、これも代替ソフトとしてDaVinci Resolveも検討中です。DaVinci Resolve 16 | Blackmagic DesignProfessional video editing, color correction, visual effectswww.blackmagicdesign.com

新型コロナの影響で様々な業界に影響が出ているなか、月々自動的に流出するランニングコストは減らすに越したことはないなと。
この機会に利用頻度、性能、コストを総合的に鑑みて課金するツールを見直すのも良いかもしれません。
日本にも成果主義の波 コロナ危機が呼び水に新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっています。日本でも経済活動の制約などで業績が悪化する企業が目立ち始め、一部で人員削www.nikkei.com


現在、新型コロナ支援として様々なクリエイティブツールが割引をしていたり試用キャンペーンをしたりしているので、色々とチェックしてみると良いかも。
新型コロナの影響で無料提供中!クリエイティブなオンラインツール、サービスまとめ – PhotoshopVIPこの記事では、現在新型コロナウイルスの世界的流行によって、無料提供されているオンラインツールやサービスをまとめてご紹介しまphotoshopvip.net

※ちなみにAffinityの回し者ではないし、Adobe様の敵ではありません(むしろ好き)。
ただクリエイティブ業界のソフトが一社寡占状態になるのはあまりヘルシーではないなと思うので、ちゃんと競合が機能しクリエイターの選択肢が増えていくといいなという気持ちでこのnoteを書きました😃

ABOUT ME
etsuko-ichihara
メディアアーティスト。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。