日常

NHK「すっぴん!」多幸感の溢れる番組でした

1/15にNHKラジオ「すっぴん!」お邪魔しました。
全国放送の人気番組で、いつも以上に反響が大きく驚いております(番組宛に、または個別にメッセージを下さった方もありがとうございます🙇🏻

登場シーンで早々にコケる

前にも書きましたがパーソナリティの宮沢章夫さんは大学時代の恩師です。
今でも自分の作家としてのスタンスのベースになる姿勢を与えて下さった方で、あわよくばいつか共演を…!!と(実は)思っていたので感慨深いものがありました。


で、久々の再会の現場である入場シーンで、池内啓人さんデザインの「都市のナマハゲ」マスクを被ってオラオラ突入するドッキリを仕込んだつもりが
まんまとガラス越しにバレており、ズッコケる
というスタートから開始しました(ツメが甘かった

うん、ごめん、俺もビックリしたかったんだけど、思い切り見えてたよ」という先生・・・!! Oh・・・・

気持ち悪いコメントと作品紹介を暖かく受け止めていただく

「尊敬しすぎて、モグりで受講してました。先生のこと、よくググってました」(こんなに面白い話をする大人がいるのか!!と学生の頃に衝撃を受け、めっちゃググってた)

そんな気持ちの悪いカミングアウトをしたのち、作品解説をさせていただいたのですが
これまで作家としてそれなりに場数を踏んだつもりがやはり宮沢先生を目の前にすると緊張がすごい(もちろん穏やかなのですが時折見せる眼光が鋭い
でも近作「デジタルシャーマン・プロジェクト」について直々にコメントを頂けてすごく嬉しかったです。

 

「意識の深いところにテクノロジーを使って達しようとする。今までそれをやってきたのは宗教だったりとか別の精神世界の話だったけど、これはまた違うんで、すごく面白い。実用化すべきではないでしょうか」

ちなみにデジタルシャーマンを宮沢先生が使うとしたら、
「多分俺だったら嘘をつくね。
ここに金塊を埋めた、みたいなことを言ってみんなに必死に探させる」とのことw

米光一成さんによるまさかのドッキリ生電話

それだけでも大層嬉しかったのですが、メディア芸術祭受賞の話題になった際に、審査員であるゲームクリエーターの 米光 一成 さんの手がけられたゲーム(魔導物語、ぷよぷよ)が子供の頃から好きだったので感激した、という話をした矢先に
なんと米光さんご本
人からスタジオに突然の生電話。

マジか…!!!!

台本にない展開で完全に動揺しましたw ドッキリを仕込んだつもりが、実は逆にドッキリを仕掛けられていたという、、、米光さんはすっぴん!で別コーナーを担当されていることは存じ上げていましたが、その伏線が回収されましたw

「オープンなマッドサイエンティスト」評に感動

米光さんのお電話では自分の作品、作家性についての評を色々とコメント頂いたのですが、嬉しすぎてちょっとこれはツライときに読み返そうと思うので自分用にメモさせて頂きますw

米光さん「受賞作のデジタルシャーマン・プロジェクトについて最初話を聴いたときは軽率な感じがして、ダメだろこれ!って思ったの、正直なところ。でも実際に作品を見ると、いいんですよ。やってることがぴったりとある意味チューニングされているので、ロボットに取り込んでほしいっていう感じはあって。
市原さんのいいとこは、アートって『分かる人にはわかる』ってついつい内側に閉じこもるところがあるんだけど、市原さんの作品は閉じこもり感がないところが僕はとても好きですね」

ーー藤井アナ:作品全体というか、市原さんのアーティストの魅力はどういう所だと思いますか?

米光さん「扱っているものがエロティックなものとか、普通ぼくたちが厳しくおごそかに扱うべきだと思ってることをあっけらかんとやっている感じにこっち側には受け取れる。
で、お会いしてすごく思ったんだけど、オープンなマッドサイエンティストみたいな。やってることはマッドサイエンティストっぽいんだけど、アウトプットはもうちょっとオープンで、家電量販店とかショールームっぽいところがあるんじゃないか。そこのバランスが面白いです」

宮沢先生「実際、作品だけみると印象がちょっととんがっているというか、いやらしさを感じないわけではないけども、市原と会うと騙されますよね

米光さん「やってることは宗教なんかとも結びついてるけど、本人がすごいオープンな感じがあるんで……アレ!?っていうね」

宮沢先生「根底に冗談があるというか。ユーモアが漂っているのがまた、市原の作品を特徴づけてますよね」

ーー藤井アナ:最後に今後の期待を一言お願いします

米光さん「社会実験的な側面もあると思うんで、これを続けていくとどこに行き着くのか、という所で僕はすごくわくわくしていて。なので逆に孤高の人にならないでほしくて、社会を変なところに引っ張ってほしい気がします」


言葉を紡ぐプロ中のプロであるおふたりにガシガシとお褒めいただき(言葉のひとことひとことが濃い)、この贅沢さは一体…!!!ありがたさのメーターがMAXに振り切れました😂

「すっぴん!」あたたかい番組でした

NHK系列で色んな視聴者層に配慮が必要なバックグラウンドがあると思うのですが、それでいてエッジが効いていてすごく素敵な空気感の番組でした。
ディレクターさんも心底好きで取り組んでいる感じが伝わってきて、良いバイブレーションを頂いて帰宅しました。

NHKらじるらじるから一週間ほど聴き逃し放送があるそうなので、奇特な方がいらっしゃいましたら聴いてみて下さい。
http://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=2295_13

ABOUT ME
etsuko-ichihara
メディアアーティスト。日本的な文化・習慣・信仰を独自の観点で読み解き、テクノロジーを用いて新しい切り口を示す作品を制作する。アートの文脈を知らない人も広く楽しめる作品性から、国内の新聞・テレビ・Web媒体、海外雑誌等、多様なメディアに取り上げられている。第20回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門優秀賞を受賞、総務省異能vation(独創的な人特別枠)に採択。